2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

:2つの30年間

クルーグマンはNew York Timesの特集Class Mattersについて次のように論評する:たしかに階級格差は拡大している、それを憂う声も充分に理解できる──だがそれでも、まず最も憂うべきは、こうした状況下でなお展開される行政側からの意図的な情報操作である、…

:教師

トーマスフリードマンは、とある名門カレッジの卒業式に出席した際に立ち会った光景について、New York Timesのコラムの中で紹介している。Williams Collegeでは、優等学位で卒業する学生へ賛辞を送るだけでなく、卒業生たちが「恩師」としてノミネートした…

ローマ帝国【3】:子供がいないと不利になる制度設計

Source:日経新聞 2005年1月1日以下、前回に引き続いてローマ帝国の人口政策について: 女性一人が産むのは五人程度 指導者層の間では、共和政期から産みたがらない者が増えていた 戸口調査では「子供を持つために結婚したか」と念押ししていた アウグストゥ…

:身体加工

【1】多様で義務的な身体加工(生ける書き込み) 【2】身体加工を否定する身体加工(死せる書き込み) 【3】身体加工の否定の否定(身体加工の消滅) 【4】現代:【3】の反転 アガンベン: 近代社会への転換は、かつてその排除の上に政治を成り立たしめていた…

:偶像崇拝

福音主義プロテスタントたちは、映画『パッション』を熱烈に歓迎した 監督のギブソン自身は伝統主義的なカトリック教徒 プロテスタンティズムは、偶像崇拝を、カトリックをはるかに凌駕する厳格さで禁じている 抽象的で幾何学的な十字架への置き換えが徹底さ…

:ポリティカル・アポインティ【3】

政治任用制度の導入を求める声は、経済界からもあがっている。 経済同友会では、米国型の制度を志向している 米国は大統領と政治任用の幹部職員が去就を共にするのが基本 短命の政権も多い日本では、当面は政策の継続性が損なわれない部署への任用から始め、…

:Lactivists

USA

Source:June 7, 2005 'Lactivists' Taking Their Cause, and Their Babies, to the Streets By AMY HARMON アメリカでまた興味深い社会運動が起こっている:ラクティビストたちの運動がそれだ。LACTという語根は、乳やその関連製品の描写にしばしば用いられて…

:時代錯誤かつ最先端の。

USA

New York TimesのJohn Tierneyのコラムで、アメリカについてのトリビアをまた仕入れた。 Source:June 7, 2005 A Chance to Escape パブリックスクールで勉強についていけなかった子どもが、私立に転校することで学業に専念し、見違えるように自らの人生を改…

:ローマ帝国【2】

Source:日経新聞2005年1月1日 ローマ帝国の興亡から、日本の少子化対策に活かすことのできる施策を学ぼうというこの企画、意外と力が入っていておもしろい。以下、要点を幾つか。 首都ローマでは、庶民はアパート形式の集合住宅で暮らし、就業時間に当たる午…

:Hyper-rich

Source: June 5, 2005 Old Nantucket Warily Meets the New By GERALDINE FABRIKANT アメリカにおける所得格差は、増大する一方であるという。ただし、そこでは貧富の格差だけではなく、富める者・と・さらに富める者、との格差も大きく開きつづけているとい…

:Oui, minister

The Economistは、フランスとオランダによるEU憲法の否決に際しての勝者は、イギリスであると論じる。 That is why the purest statement of Britain's European strategy is to be found not in any official document, but in an old television show, “Ye…

【1】

Source:21世紀の司法制度を考える−司法制度改革に関する裁判所の基本的な考え方− 平成13年12月、内閣に、総理大臣を本部長とし、全閣僚を構成員とする司法制度改革推進本部を設置 我が国の司法制度は,かなり統一的な構造となっている 我が国社会の平等志…

:乾ききったタオル

70年代のオイルショック以降、日本は他国に先んじて省エネを国策として進めてきた。今なおその技術を追求し続けることは、まるで乾ききったタオルに残りの数滴を期待して絞り続けるようなものだと、とある松下電器社員は言う。 Source:June 4, 2005 Japan -S…

:Gang Rape: As a Policy

Nicholas D. Kristofが集中的にダルフールを取り上げ続けている。 Source:June 5, 2005 A Policy of Rape スーダンの難民キャンプでは、ギャングレイプの被害者が増え続けている。クリストフが非難してやまないブッシュ政権だけでなく、当のスーダン政府もま…

:内破するカエル

USA

The Economist誌は、フランスとオランダでのEU憲法の否決がアメリカにとって何ら衝撃的な出来事ではなかったと指摘している:むしろ、嫌仏派は長らくボイコットし続けてきたフランス産ワインをもってしてその否決を祝ったのだとされる。 イソップ寓話風に譬…

[Policy]:中国の反日感情

以下、引用は政策空間ホームページより。 Source:中国は民主化しても反日であり続ける Akutsu, Hiroyasu 阿久津氏は、中国はこれからも──期待される程度の民主化が達成されたあとでも──反日的であり続けるという。当ブログ執筆者としては、これは特段目新し…

:インドの若さ

どちらも10億を越える人口を擁するインドと中国、この2大国の最大の違いは、その人口の「質」にある。いずれ中国を抜き世界一の人口大国となることが約束されているインドの人口は、とにかく若く、活気に溢れているというのだ: およそ人口の70%が35歳以下…

:ローマ帝国【1】その少子化対策

作家塩野七生はイタリア史を通して現代日本社会への提言を行っている。彼女によると、ローマ帝国もかつて深刻な少子化の進行に直面していたのだという。 Source:日経新聞2005年1月1日 ポエニ戦争でカルタゴに勝った紀元前二世紀までは、ローマ市民の女性が10…

:Social Contract

マッキンゼーのIan DavisがThe Economistに寄稿した記事より: 企業と社会との関係をめぐっては現在、2つの立場が主な主張を展開していると言う。 一つ目は、ミルトン・フリードマンの言葉を借りるなら、the “business of business is business”であるとする…

:奈良の謎

日経新聞の今年一月の特集、「少子に挑む」を読み返している。 都道府県別の出生率首位は沖縄の1.72 最低は東京都0.9986 であるという。 沖縄の水準でも、「置換水準」には程遠い。 全国平均は1.29 1.5以上は沖縄・福島・鳥取・佐賀 1.2…

:500%

The Economistの記事で、日本の農業が如何に畸形的であるのかを学ぶ。 Source:Japan's farmers:Facing the scythe? May 26th 2005 日本への輸入米に掛けられている関税はおよそ500% 農業人口のうち65歳未満は40%しかいない 農業人口の70%が副業…

:American Liberalism

Source:June 2, 2005 Fear and Rejection David Brooksは、EU憲法へ突きつけられたフランスとオランダからの否決を通して、リベラリズムの限界を予感している。西欧はいまや、アメリカ流リベラリズムをDiscreditしつつあるのだと言うのだ。 Most of the poli…

経済的人種隔離

USA

New York Timesの特集Class Mattersの最新記事の中で、An Increasing Economic Segregationというなんともショッキングな表現が使われている:いまやアメリカの郊外の発展は、経済的な格差による棲み分けとほぼ同義になってきているというのだ。その人工都市…

:Faith-based Social Policy?

Source: Purgatory without end May 26th 2005 the creationist “Scopes monkey trial” in 1925 Only 10% admitted to having no religion. A higher proportion of Americans say they would be willing to vote for an openly gay presidential candidate …

:連邦予算

USA

ブッシュ政権の最大の特徴は、保守主義が「大きな政府」を支持してしまっている、という点にある。 無論、共和党は表向き「大きな政府」志向の民主党を批判してやまないが、この政権は、──見方によっては前クリントン政権以上に──デファクトBig Governmentに…

:France's Unexpected Baby Boom

2050年に、ヨーロッパにおいて最大の人口を誇ることになるのは、──経済的に好調なイギリスでも現在の経済大国ドイツでもなく──フランスなのだという。経済的な楽観はしばしば、高出生率に結び付くことが指摘されてきたが、フランスは、社会政策によるサポー…

:合計特殊出生率1.29

少子化傾向に歯止めがかからない。以下、朝日新聞の記事より: 未婚化・晩婚化が進み、もともと数が少ない現在の20代が子どもを産まなくなっている 71〜74年生まれの団塊ジュニアが30代前半の出産適齢期にある今後5年間は、「出生率回復にとって重…

: Class in US

1789: No Sir. The Constitution prohibits the granting of hereditary of honorary titles of nobility.1835: "Amongst the novel objects that attracted my attention during my stay in the United States, nothing struck me more forcibly than the g…

:Caucasian features

Source: New York Times May 26, 2005 15 Years on the Bottom Rung By ANTHONY DePALMA 果たして、年間40万人以上の流入が続いているというメキシコからの不法移民は、アメリカ社会にどのような変化をもたらすのだろうか。ハンチントンの予測は悲観的なもの…

:聴覚損失

USA

アメリカで現在、Hearing Loss聴覚損失を患う人々が急増しているという。 More than 28 million Americans have some degree of hearing loss, a number that could reach 78 million by 2030. 記事中、耳の内部構造の一角である、繊毛細胞をピアノの鍵盤に…