2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ネット右翼の文法【4】

下の記事中の石原発言をめぐって、あちこちで噴きあがっているようだ。保守派の思想基盤を鍛えあげることを課題とする我々としては、ここで考えてみたい:どんな噴きあがり方が適切な噴きあがり方であるのか、と。 石原慎太郎都知事は27日、東京都議選の告…

Birth Tax

日本では国民1人あたりの国の借金がおよそ700万に近づいていると言われているが、アメリカのそれは──Birth Taxと仇名される国民の借金は──『新生児』一人当たり1600万円を軽く越える見込みであるという。 three-fourths of our new debt is now being purcha…

:自閉症

自閉症のアメリカでの発症件数の増加ぶりが目覚しい: Diagnoses of autism have risen sharply in recent years, from roughly 1 case for every 10,000 births in the 1980's to 1 in 166 births in 2003. Source:June 25, 2005 On Autism's Cause, It's P…

ファスト風土化?

冷泉彰彦氏は『from 911/USAレポート』第204回のなかで、三浦展氏の『ファスト風土化する日本』についての読後感を語っている: [・・・]この本全体としてはあまり愉快な感じがしませんでした。まず、東京の視点からそこまで「地方」を全否定するよ…

:ネット右翼の文法【3】

エントリーのタイトルのなかに「ネット右翼」という言葉が含まれていることは印象操作にあたるとの指摘をいただいた。 筆者としてはネット上での長文は読むに耐えないと思っている。そのせいもあって、なるべく簡素に内容が把握できるような工夫の一環として…

:フランスを笑えるのか?

USA

フリードマンは、EU憲法の批准を否決したフランスの姿をあざ笑うアメリカ人に警鐘を鳴らしている:アメリカ人自身が、当のフランスがNonを投じたその同じ理由で保護貿易を擁護するきらいがあるのだと彼は言う。 The McKinsey Global Institute just publishe…

:ローマ帝国【4】移民・外国人

移民をどう受け入れていくか、あるいはそもそも受け入れるべきなのか否か、日本でも議論の機運が高まっている。当ブログ執筆者としては「移民の大規模な受け入れは好ましくない;それでも受け入れないシナリオのほうがよほどの悪夢である」という立場を採っ…

:子供をもつ動機

ドラマ「瑠璃の島」の第五話のなかに、つぎのような台詞が出てくる:「好きな人の子供だから、このお腹の子を産みたい」のだと。当事者カップルの男性側は、その会話の時点では出産にも──そして認知・結婚にも──積極的ではない。劇中、井川遙演じるこの女性…

:ネット右翼の文法【2】

おとなり日記経由で、非常に出来のいいブログを見つけた。ふむふむと読ませる箇所も多いのだが、時々議論を急ぎすぎて性急な一般化をしてしまっている箇所も見られる。今日の例解ではそこを取り上げてみたい。 韓国人は日本が何をしようが、すべて悪意でもっ…

:緩急あるライフサイクル

John Tierneyがまた、おもしろい発言を引き合いに出している:若者が働きづめで、老人が休み続ける、という極端なライフサイクルのコントラストは見直されてもよいのではないか、というのだ。 It would be fairer to redistribute some of this free time so…

:パキスタンの女性

Nicholas D. Kristofがムシャラフの対応について怒り続けている:レイプを告発し、それを国際的な関心事項としてアピールしようとした嫌疑をかけ、ある女性を拘禁しパスポートを剥奪するべく指示をしたというのだ。「パキスタンのイメージを守るため」とムシ…

:アテネ民主制

直接民主制のメリットや、あるべき民主主義の姿を論じる者の多くは、古代アテネを参照軸に据えることが多い。5世紀のアテネでは、政治に参加できる人口はわずか3万人強でしかなかったという: Its intricate system of self-rule by an active citizenry re…

:H G Wells

The path of social advancement is, and must be, strewn with broken friendships H G Wells 'Kipps' (1905) 社会が改善されるには、個々人の幾つもの友情が犠牲にされなければならない。日本では、まったく逆が美徳とされてはいないだろうか:個々人の友…

ネット右翼の文法【1】

現代の日本においては、右翼と靖国参拝支持層とが、ほぼ一致してしまっている。宮台真司的な意味での「右翼」概念に拠るならばこの一致は必ずしも自明なものではないのだろうが、さしあたってこのカテゴリーではしばらく、靖国参拝支持の「論理」の解析を行…

:エノラ・ゲイ搭乗員

原爆投下前の段階で、日本の生産能力の85%は破壊されていた Source:毎日新聞Web 「論理的な人間ならずっと前の段階で降伏していたはずだ」とアメリカ人は言うが、今日、彼らが世界規模で目撃しているのは「論理的」ではないテロの連鎖である。85%の生…

:米上院議員

USA

アメリカの上院議員という人種は、「普通の人間がセックスのことを考えるよりも多い頻度で、大統領になることを夢想する」タイプの人間なのだという話をどこかで読んだことがある。だが以外にも、上院議員出身で大統領になった政治家は、1960年のケネディを…

:マーガレット・ミード

John Tierneyは、自身の息子に問いかけられた「なぜテレビの中の父親はみな、ドジでマヌケなのか」という問いを反芻している。そのなかで、ミードの父性・母性の違いを彼は引く: Homer embodies a famous distinction made by Margaret Mead: motherhood co…

:瑠璃の島

今クールに日本で放送されていたドラマ『瑠璃の島』を、DVDに焼いてもらって海外で見ていた。毎回、つい涙を誘われるプロットが組まれている。前評判を裏切って、意外な人気を集めているようだ。 "期待度"10位、"放送直後"7位から今回4位へと大きなランクア…

:Shades of Black / Moderate

キリスト教に関する記事を2つ、紹介したい。1つはThe Economist、他方はNew York Timesからである。まず、The Economist誌の記事では、イギリスにおいてアフリカ系・カリブ系のキリスト教教会がその勢いを増しつつあることを特集している:国教会第二の地位…

Toyota / GM

USA

トーマスフリードマンはコラムのなかで、ゼネラルモーター社はトヨタの戦略を見習うしか、──あるいはトヨタにテイクオーバーされるしか──道は残されていないと説く:フリードマンはアメリカの自動車産業全体が危機に瀕しており、大幅な戦略の転換が図られね…

:道徳教育?

政策空間の新刊が配信された。政策について議論しようという気概のある人々がその議論の場を見つけることすら難しい現代の日本において(と言っても当ブログ執筆者は日本に住んでいないのだが)、筆者はこのニューズレターの配信を以前から楽しみにしている…

:スピリチュアリティ

人はアメリカを過度に宗教へと後退しつつある社会だと嗤うが、日本においても、──ずばり宗教そのものではなく──「宗教的なるもの」は徐々に社会に浸透しつつある: 「宗教を信じるか」という旨の各種の世論調査で七割以上が「いいえ」と答えている スピリチ…

:現実と虚構

USA

そら寒い数字を見つけた:三人中1人のアメリカ人は、イラクに大量破壊兵器があったことを疑っていないというのだ。そして、若者たちは現実の世界についての情報を、ドキュメンタリーやニュースを通してではなく、コメディを通して取得しているという: Twent…

ポリティカル・アポインティ【3】

朝日新聞中に、以前からこのブログで何度か取り上げている政治任用についての記事が出ていた: 人事院は15日、04年度の年次報告書(国家公務員白書)を公表した。政権与党が民間人や政治家を省庁幹部に指名する「政治任用」について、有識者4人の論文を…

:Big Brother In China

中国でブログ検閲に協力 米マイクロソフト 【ニューヨーク13日共同】AP通信によると、米マイクロソフト(MS)は13日、インターネット上で自分の意見などを書き込めるブログの開設サービスの中国版「MSNスペース」で、中国政府に協力して書き込み…

:Sunday Vows

The Economist誌でも、アメリカの階級間移動の流動性の低下が、つまり、メリトクラシーの論理のもとに形成される新たな階級社会の台頭が取り上げられている。 The gap in income between the college-educated and the non-college-educated rose from 31% i…

:Christianity/Christianism

ウィリアム・サファイアはChristianとChristianistという呼称の使い分けが最近のアメリカ社会では一般化しつつあると論じている。後者のほうは、より政治的な意図でキリスト教を騙る者を指すと言うのだ。 Source:May 15, 2005 Isms and Phobias この分類の仕…

:経済停滞

日本よりはまだ勢いがあるかに見える韓国経済だが、The Economistは手痛い論評を韓国の経済政策に対して下している。韓国経済はあいかわらず、mercantilist foreign-exchange policies from the 1970sをコピーし続けている、つまり変化に柔軟に適応すること…

:The Circus Maximus Syndrome

USA

New York TimesのJohn Tierneyのコラムが冴えている。 Source:June 11, 2005 The Circus Maximus Syndrome 彼は、2012年のオリンピック開催候補地に名乗りをあげているニューヨークの政治家たちが──あるいはアメリカ社会全体が──、このCircus Maximus Sy…

:Re-offend within two years

80% of young offenders who are given custodial sentences re-offend within two years Source:The Economist British wrongs Jun 9th 2005 これは英国での数字である。保護観察処分を受けた若者のうち、80%が2年以内に再犯することになるという。犯罪…