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Source:21世紀の司法制度を考える−司法制度改革に関する裁判所の基本的な考え方−

  • 平成13年12月、内閣に、総理大臣を本部長とし、全閣僚を構成員とする司法制度改革推進本部を設置
  • 我が国の司法制度は,かなり統一的な構造となっている
  • 我が国社会の平等志向を反映して,司法制度の運用における等質性の要請は極めて強い
  • 我が国では,諸外国に比べ,伝統的に,裁判において,法論理及び事実の認定について精密さが要求され,紛争や事件の真相の解明(真実の発見)に強い関心が置かれている
  • 諸外国の状況と比較してみると,我が国の訴訟事件の平均審理期間は,平成10年では,地裁民事訴訟事件が9.3か月,地裁刑事訴訟事件が3.1か月
  • 公害事件のように訴訟当事者が極めて多数の大型事件,特許権の侵害等の知的財産権事件,あるいは医療過誤事件のような専門的事件の中には,事実関係が複雑で,ときとしては専門的な知見自体に争いがある場合もあって,解決までに,数年,ときには十数年といった長期間を要している事件も見受けられる
  • 法制度の面では,証拠収集手続,証拠方法等に関する証拠法を含む手続法の見直しが必要とされるであろうし,法曹人口の拡大,弁護士業務の態勢強化,裁判所の態勢の充実(裁判官,書記官,裁判所調査官の充実)等の人的基盤,物的基盤の整備が必要
  • 簡裁事件に関する利用しやすい訴訟代理制度についても検討されるべき
  • 司法制度は,対立当事者の争いを手続に従って解決するという共通の制度原理に立脚する一方,優れて社会的,文化的な制度
  • 本人訴訟率の低減化,弁護士の地域的偏在の解消,職域の拡大,弁護士事務所の専門化・総合化等は大きな課題