:連邦予算

Korobokkuru2005-06-02


ブッシュ政権の最大の特徴は、保守主義が「大きな政府」を支持してしまっている、という点にある。 無論、共和党は表向き「大きな政府」志向の民主党を批判してやまないが、この政権は、──見方によっては前クリントン政権以上に──デファクトBig Governmentになってしまっている。
この点、The Economist誌の記事に詳しい。:George Bush, The contradictory conservative Aug 26th 2004

Nor is big-government conservatism the political cure-all that it might seem. It is alienating big chunks of the Republican coalition. Libertarians don't want to be told whether they can smoke pot by Mr Ashcroft. Old-fashioned conservatives don't want to see Washington extending its power over local schools. And good-government types don't want to see the deficit balloon out of control.


New York Timesのコラムのなかでも、Matt Millerが同様の指摘を行っている。
Source:June 1, 2005 Beyond Viagra Politics

  • The G.O.P.'s perennial attack on "big government" is a con.
  • Just seven programs make up 75 percent of federal spending: Social Security, Medicare, Medicaid, military pensions, civil service pensions, defense and interest on the debt.
  • 連邦予算の対GDP比 
  • 減税処置により、歳入は、ブッシュ就任時にはGDPの20%水準だったが現在は17%にまで減った;にもかかわらず、ブッシュは歴代共和党政権よりも少ない歳費でかつて例のないほどの大きな政府を運営しようとしている

単純に税制改革に失敗している、ということなのだろうか。
外交においてはあれほどブリリアントな構想を提示し続けているブッシュ政権が、経済のことになるとからきしダメである、とはクルーグマンの評であった。

日本では、民主党支持層と小さな政府支持層が重なってしまっていることが大きな不幸だと思う:EUアメリカが社会保障重視の舵取りをしているときに、日本の民主党は分権以外の構想を提示することができていないのだ。
いまや論点は、
小さな政府vs大きな政府
の対立にではなく、
いったいどの程度大きな政府なのか
という政府の質とハンドリングの術の領域にシフトすべき時ではないだろうか。