:Caucasian features

Source: New York Times May 26, 2005 15 Years on the Bottom Rung By ANTHONY DePALMA
果たして、年間40万人以上の流入が続いているというメキシコからの不法移民は、アメリカ社会にどのような変化をもたらすのだろうか。ハンチントンの予測は悲観的なものである:ギリシャ系やイタリア系移民とは違い、彼らはアメリカ社会を分断するだけで決して同化していくことはないだろう、と。

Experts remain divided over whether Mexicans can follow the same route. Samuel P. Huntington, a Harvard professor of government, takes the extreme view that Mexicans will not assimilate and that the separate culture they are developing threatens the United States.

だが、別な見方も提示されている。移民を、違法な状態に据え置くからこそ彼らは国内に滞留し続けることになるのであり、不法滞在を減らすためには、彼らの身分を合法化し、母国との往来の自由度を高めることこそ得策である、という政策理念がそれである:

Professor Rivera-Batiz studied what happened to illegal Mexican immigrants who became legal after the last national amnesty in 1986. Within a few years, their incomes rose 20 percent and their English improved greatly.

"Legalization," he said, "helped them tremendously."

これらの議論は、現代の日本で行われている移民受け入れの議論に示唆するところが大きい。日本の外国人労働者受け入れ反対派の論拠は、非常に感情的な幾つかの論点に絞り込むことが出来る。彼ら曰く、

【1】大量の移民は地域社会を荒廃させる、ゆえに「量」的な制限を設けるべきだ
【2】犯罪にコミットされることのないよう、「質」のフィルタリングを厳しく行うべきだ
【3】永住する気があるならさっさと帰化しろ
【4】永住しないなら年限の上限を設けてさっさと送り返せ

これらはまさに、アメリカが中南米からの移民に対して行ってきた施策そのものであり、失敗する蓋然性が極めて高い──仮に、不法移民の増加を「失敗」と定義するのであれば。
 積極的に移民を社会へと組み込んでいくような施策こそ、考案されねばならないのではないだろうか。