:内破するカエル

Korobokkuru2005-06-06

The Economist誌は、フランスとオランダでのEU憲法の否決がアメリカにとって何ら衝撃的な出来事ではなかったと指摘している:むしろ、嫌仏派は長らくボイコットし続けてきたフランス産ワインをもってしてその否決を祝ったのだとされる。
イソップ寓話風に譬えるなら──記事は続けていう──EUは、牛に気付いて欲しくて自らの体躯を膨らまし続けるカエルのようなものだという:カエルは体を膨らませる。しかし牛はまだ気付かない。カエルはさらに空気を吸い込む。まだ牛は見向きもしない・・・カエルはとうとう、自らの身体を破裂させてしまう。──その破裂音をもってしても、牛たるアメリカはその存在に気付くことはなかった。
しかし、アメリカはやはりヨーロッパを重視すべきであり、強いEUをこそ求めるべきなのだと記事は言う──ただし、その求め方に一抹の機微が要求されるのだが。なぜか?記事は次のような論拠を挙げる:

  • Europe remains America's biggest trading partner and closest ally
  • Two-thirds of America's foreign investment since 2000 has gone to Europe
  • China is too undeveloped and Japan has failed to assume a leadership position
  • Since coming to office in 2001, George Bush has spent more time in Europe than anywhere else abroad—44 days, compared with 13 in Asia

アメリカはヨーロッパが強くなることを、暗黙裡に支持し続けねばならないのだと記事は結ばれている。それが最も効果的にヨーロッパへ影響力を及ぼす術であり、カエルが再び破裂することのないよう見守ってやることが肝要なのだと。