:ネット右翼の文法【2】

おとなり日記経由で、非常に出来のいいブログを見つけた。ふむふむと読ませる箇所も多いのだが、時々議論を急ぎすぎて性急な一般化をしてしまっている箇所も見られる。今日の例解ではそこを取り上げてみたい。

韓国人は日本が何をしようが、すべて悪意でもって解釈する。
韓国人は何かと言うと、過去をひきあいに出して、干渉してくる。
日本人というのは本当にお人好しだと思う。
日本人はどうも、謝罪すれば終わると思っているようだが[・・・]
Source:Dr.マッコイの非論理的な世界

形式論理学では、「すべてのX」・と・「とあるX」とを厳密に区別する。一般に、すべてのXがYである・という命題が成り立つ時、とあるXもYである、と言えるわけだが逆は真ではない。人を煙に巻き、時に魅了する弁論術を洗練させ続けた古代のソフィストが最も多用したと言われるテクニックが、この2つの論理的様相の混同である。そしてこれが、ネット右翼の文法においては「真」になるのである。
お人好しではない日本人など掃いて捨てるほどいるし、悪意を抑制する術を心得ている韓国人もいる(←この文章は、「とあるX」を主語にして書いてある)。
国籍本質主義的な修辞は、ネット右翼の1つの特徴である:彼らは知ってか知らずか、弁論術の奥義を会得しているのだ。