可能条件算出の手段としての政治

いかにして、共存のための可能条件を吟味していくのか。

一方で、多文化主義的な「虚構化」の方に眼を向ければ、政治は、結局、異なる生活様式、異なる利害の間の行政的な調整の問題に転ずるだろう。他方で、「現実への逃避」の次元に対応する政治は、結局は、テロのような無言の暴力である。両方から失われているのは、本来の政治、われわれにとって可能なるものの枠組みを確定する決定的な選択という意味での政治だ。『大航海』2005Jan p111