:初期キリスト教信者

初期キリスト教は、その信者の数を、圧倒的なスピードで拡大したのだという。

  • 西暦40年ごろにはわずか1000名程度の信者
  • 西暦350年ごろには3400万人にまで増加

In his book "The Rise of Christianity," the sociologist Rodney Stark calculates that the number of Christians rose from roughly 1,000 (or .0017 percent of the Roman Empire) in A.D. 40 to nearly 34 million in 350 (or 56.5 percent of the total population).

その拡大の背景にあったのは、キリスト教を他の宗教から差別化するに足る、幾つかの特徴であった。

  • 初期教会は改宗者にユダヤの律法を遵守することを求めないことを決めた
  • その結果、Religion Free Of Ethnicityとしてのキリスト教が生まれた
  • 疫病流行の際には、慈善を施すなどの活動を拡大していった
  • 中絶や女児えい児殺害を禁止することで、女性の象徴的地位向上に貢献した

こうした要素がその原動力となったのだと社会学者Rodney Starkは論じる。

キーワードは、弱者をつねに包括し組み込み続けるような布教活動を行っていることであると言えるだろう。昨年の米大統領選に際して、共和党に投票した貧困層は矛盾した態度をとっているのだと分析されていた:共和党の施策は富裕層厚遇のものであるにもかかわらず、テロの不安や宗教保守的動機に動員されて貧困層民主党を見限ったのだった。その動向が初期キリスト教発展の歴史と奇妙に符号するのは、現代アメリカにおいて、もっとも「貧困との戦い」に力を入れているのは宗教的に敬虔な社会層であるという事実である。David Brooksは以前、リベラルとキリスト教との連携を説いていたが、連携以外にも手はある:キリスト教支持層が、リベラルな価値観を政策の面では支持するよう、彼らの意識をヘッジしていけばいいのである。ちょうど、初期キリスト教教会が、異邦人の全面的改宗を厳格には求めずに形式から入信するゆるやかな<改宗>を認めることによって爆発的に信徒を拡大したように、まずは部分的な<転向>を、宗教右派に対して仕向ければよいのだ。
 

Source:From Jesus to Christ,Newsweek