[USA]:US University Ranking

ここ数週間New York Timesで特集されている階級の問題について、その分析だけではなく解決策の提示を考えてみることにしたい。
反響として寄せられた投書によると、階級の再生産の原動力となりつつある大学教育にメスを入れてはどうか、という意見が目立つ。どの大学も、自分の大学の名声を高めるためにあくせくしているのが実情である。ならば、それを逆手にとって改革案を提示することはできないだろうか?:貧困層からの学生を受け入れれば受け入れるほど、大学ランキングにおける格付けが連動して上昇するような「変数」を、評価の一基準として導入すればよいのだ。

現在は、SATの点数が主な指標となってしまっており、ゆえに、貧困層の学生を獲得するインセンティブが働かなくなっているのだ。:ならば、SATの点数よりも、Economic Diversityを「優良な」大学の資質とするよう、ランキングの基準をチューニングすれば済む。所属学生の家庭経済状況が、一体どの程度の多様性を呈しているのか、それを数値化すればよいのである。

だが、この施策だけでは不十分である。卒業後、数年経った時点での卒業生の平均収入などもランキングの基準として重く評価されていいのではないだろうか。入学前の家庭収入と、卒業後の収入の期待されるギャップなどを評価してもいいだろう。

社会に、意図的に流動性を埋め込む仕組みの1つの実践の場として、教育の場は改良の余地にあふれている。