:Inherited Meritocracy

教育は、もっとも強力な階級格差のイコライザーであると言われてきた。だが、現代アメリカにおいては、しばしば、教育こそが格差を押し広げ、再生産する当の装置となってしまっている。

以下、New York Timesの特集から、いくつか情報を拾ってみる。
Source: May 24, 2005 The College Dropout Boom By DAVID LEONHARDT

  • およそ三人に一人の20代中盤のアメリカ人が、大学をドロップアウトし、nongraduateと呼ばれる範疇に属すようになっている
  • このグループは、60年代には五人に一人でしかなかった
  • 四年制大学に入学した低所得者層出身の学生のうち、五年以内に卒業できるのは41%でしかない;高所得者層に限れば、この数字は66%である:ギャップは開き続けている

In fact, though, colleges have come to reinforce many of the advantages of birth. On campuses that enroll poorer students, graduation rates are often low. And at institutions where nearly everyone graduates - small colleges like Colgate, major state institutions like the University of Colorado and elite private universities like Stanford - more students today come from the top of the nation's income ladder than they did two decades ago.

日本人の間で、まことしやかに囁かれ続けている1つの神話が在る:アメリカの四年制大学編入するための1つのステップとして、コミュニティーカレッジが有効である、とする神話である。だが、果たしてコミカレは高い教育水準を保ち続けているのだろうか?

  • Community collegesに入学した学生のうち、75%が四年制への編入を希望している
  • そのうち、五年以内に希望をかなえられるのは17%だけであった

貧困層出身の学生向けに、アファーマティブアクションを適用しようと模索する有名大学も多数存在していることを、特集は強調している。だがしかし、しばしばその適用は、SATにおいて高得点を叩き出すことの出来た学生に限られるのだという。 なぜなら、アメリカの大学の序列ランキングは主に入学学生のSATの平均点数に拠っており、スコアが低い貧困層の子息を積極的に入学させることは、大学の名声を下げることに直結してしまうからである。