：Biology オーガズムと進化

なぜ、女性は──一見すると進化論的に不要であるにもかかわらず──オルガズムを経験するよう生物学的にデザインされているのかに関する議論を読んだ。

In the 1981 book "The Woman That Never Evolved" and in her other work, Dr. Hrdy argues that orgasm evolved in nonhuman primates as a way for the female to protect her offspring from the depredation of males.

She points out that langur monkeys have a high infant mortality rate, with 30 percent of deaths a result of babies' being killed by males who are not the fathers. Male langurs, she says, will not kill the babies of females they have mated with.

In macaques and chimpanzees, she said, females are conditioned by the pleasurable sensations of clitoral stimulation to keep copulating with multiple partners until they have an orgasm. Thus, males do not know which infants are theirs and which are not and do not attack them. (NYT May 17, 2005　'A Critic Takes On the Logic of Female Orgasm' By DINITIA SMITH)

この議論のおもしろいところは、オーガズムが女性本位の、体験者個体のためのものではなく、その子孫のために経験される(ように進化の過程で要請された)感覚だと論じているところではないだろうか。langur monkeys のオスは、その孕まれ、生まれた子が自分の子ではないと直観された場合には、極めて高い頻度でその子を殺すのだという。
　その「子殺し」を、当事者の親たるメスは防ぐために、彼女たちは次のような戦略を──知ってか知らずか──採用される。いったいその子供が誰の精子によって受精された子なのか、わからぬようにするというのだ。オーガズムが訪れるまで、macaques and chimpanzeesのメスは性交を続ける。ヒトと極めて生物学的に近いこうしたサル科の種族の生態は、メスのオーガズムが「受精」に重点を置いたものであるというよりは、出産後のその子孫の「存続」のための1つの知恵だという説を補強するものだ。（この議論もあちこちで叩かれていると、記事は教えている。）